アメリカの通商政策
- 2022.08.17 Wednesday
- 12:13
JUGEMテーマ:歴史
「物語 アメリカの歴史」(猿谷要)によると、南北戦争後、アメリカは保護貿易の国だったそうだ。
//////////////////////////////////
当時の共和党政権は産業界に対して自由放任の態度をとったので、カルテル(企業連合)やトラスト(企業合同)などを積極的におしすすめた独占資本家たちは、容易に政界に対しても介入し、いつもポケットの中に議員を一〇人くらい入れて歩いている、と豪語したほどである。政界もまた産業界を利用して肥え太り、両社の癒着が状態になった。
私たちはアメリカを昔から自由貿易の国だったと錯覚しがちだが、南北戦争後の議会は産業界を保護するため、くり返し関税率の引き上げを行った。しかもこの高率な保護関税は、アメリカのGNPがイギリスを追い越した世紀末以降も続けられ、第一次大戦中だけ連合国へ物資援助をするため引き下げられたが。その後また保護関税に戻っていて、いわば必要以上の手厚い保護を、政府は産業界に実施していたのだといわなければならない。アメリカが自由貿易の国になったのは、第二次大戦からのことにすぎないのだ。
//////////////////////////////////
トランプ政権時代、アメリカファーストなる通商政策を掲げ、今もアメリカに工場立地を求める流れが続いている。特に、自動車分野、半導体等の先端分野。
日本は最終的にTPPを主導、批准したが、アメリカはTPPに参加しなかった。言い出し、押し付けた国が参加しないのは前代未聞のことだ。
アメリカは、トランプ政権時代の中国に対する貿易制裁を強化しつつ、更なる自国優先的な通商政策を模索しているはずである。
アメリカは、その昔も今も自国優先ルールを他国に押しつけたがる迷惑な国である。