アメリカがイスラエルの植民地だった?時代
- 2022.05.03 Tuesday
- 09:25
JUGEMテーマ:歴史
ウクライナ紛争以降、アメリカ政界でのユダヤ・ロビーは動きが鈍っているとの情報がある。
イスラエルにとって、ロシア、ウクライナ両国とも等距離レベルでの友好国なので、イスラエルは中立的立場を選択せざるを得ない。
さて、「アメリカのイスラエル・パワー」(ジェームズ・ペトラス)の訳者高尾菜つこは、訳者あとがきにて、アメリカはイスラエルに植民地化され意のままに操っていると締めくくっている。
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米国ではロビー団体と言われる政治的な圧力団体の活動が盛んである。彼らはさまざまな分野のさまざまな利益を代表する組織として、みずからに有利な決定をさせるために議会や政府に働きかける。その中で、イスラエル国家の利益を代表し、「ユダヤ・ロビー」と総称されるユダヤ系ロビー団体は、他のロビー団体とは比較にならないほど強大な影響力をもっている。事実、日本ではあまり実感がないが、米国では政財界をはじめ、多くの分野でユダヤ系市民が重要な地位を占めている。その一方で、やはり日本では実感がないが、「ホロコーストの被害者」であるユダヤ人を非難することは、欧米では一種のタブーであり、非難すればたちまち「反ユダヤ主義」のレッテルを張られるといった空気もある。しかし、ペトラスはそうしたレッテルをいっさい恐れず、「ユダヤ・ロビー」の暗躍を激しく攻撃し、イスラエルを陰謀の黒幕と糾弾している。
ペトラスによれば、中東の小国イスラエルが、世界の超大国アメリカを植民地化し、意のままに操っているという信じがたい構図が存在するという。一連のテロや紛争は、中東で覇権を握ろうとするイスラエルの陰謀にほかならず、米国のユダヤ人たちはその手先である。彼らは議会や政府に入り込み、マスコミを利用して、米国をイラクやイランとの戦争に駆り立てる。米国のユダヤ人は人口の割合からすれば少数派だが、各分野で要職にある彼らは、その権力と豊富な資金力にものを言わせて、イスラエルの利益を最優先に実現しようとする。つまり、イスラエルはみずからの手を汚すことなく、米国にアラブの敵を滅ぼさせ、その一方で、脆弱なレバノンやパレスティナを破壊して領土を広げようとしているわけだ。
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イラクへの軍事侵攻の時代までは、ユダヤ・ロビーの圧力に沿い、アメリカ軍はイスラエル政府の手先として機能していたようである。トランプ大統領時代には、アメリカ政府はイスラエルに対し軍事的支援はしなかったが、エルサレムを首都として承認するなど外交的にイスラエルを支援した。
バイデン政権に入ると、明らかにウクライナに対する軍事支援政策を打ち出したこともあり、どうやらユダヤ・ロビーの影響力はかつてほどではなくなったようである。