英国の住宅事情改善に取り組んだ社会運動家
- 2021.12.25 Saturday
- 19:33
JUGEMテーマ:歴史
「英国住宅物語」(E・モバリー・ヒル)という本にて、ナショナル・トラストの創始者、オクタヴィア・ヒルという女性の生涯が如何なるものであったかについて述べられている。
この本の情報によると、オクタヴィア・ヒルは国家による福祉と住宅についての施策が実施される前の時代の活動家、家主と借家人の関係を法的なものにし、オクタヴィア・ヒルの方針が基礎となって、その後の住居管理の概念が地方自治体レベルで共有化され、当時の貧困家庭の劣悪な住宅事情が改善に向かったとされている。
Wikipediaの人物紹介はこうなっている。
オクタヴィア・ヒルの事業は、イギリスだけでなく、アメリカでも継承され現在に至っている。
訳者あとがきによると、1887年のヴィクトリア女王在位50年記念祝賀会(Golden Jubilee)に、フローレンス・ナイチンゲール、ジョセフィーヌ・バトラー(売春禁止を実現させた社会運動家)とともに、オクタヴィア・ヒル三人の女性社会運動家が招待されたそうだ。
ただ、彼女は自分が社会運動家であることを広く知られることを嫌ったようである。(訳者あとがき)
対照的に、自民党の一部女性政治家は、網タイツをはいたり、メガネフレームを何種類も用意、世の男性の関心を集めようとし、女性議員の活用を求める声明文等を発している。
オクタヴィア・ヒルとこの女性議員を比較すると、志というか格の違いがあるような気がする。
能ある鷹は爪を隠すという諺どおり、オクタヴィア・ヒルは、運動を着実に形にし、現代に引き継がれた。興味深いことに、オクタヴィア・ヒルの名は日本においてはまったく無名である。