在野の研究者向けの本 歴史学関連

  • 2020.01.21 Tuesday
  • 18:29

JUGEMテーマ:歴史

 

 

読んでためになった本のリスト。

 

・歴史とはなにか 岡田英弘
・現代史を学ぶ 渓内謙
・歴史学の研究法 丸山二郎、児玉幸多
・歴史学研究法 今井登志喜
・歴史をつかむ技法 山本博文
・歴史を考えるヒント 網野善彦
・日本史の基礎知識 杉原壮介他編
・新しい史学概論 望田幸男他
・六国史 遠藤慶太
・歴史の愉しみ方 磯田道史
・近現代日本を史料で読む 御厨貴編

独学で(歴史を)学ぶ人に役立ちそうな本

  • 2020.01.16 Thursday
  • 12:44

JUGEMテーマ:歴史

 

独学の方法について書いてある本の中で、良書と思われる本を紹介させていただく。

・独学で歴史家になる方法(礫川全治)
・独学の冒険 浪費する情報から知の発見へ(礫川全次)
・独学のすすめ(谷川健一)
・うひ山ぶみ 本居宣長
・天才の勉強術(木原武一)
・現代教育考 独学のすすめ(加藤秀俊)

 

このほかに、歴史学の本は読む必要がある。


独学で論文らしきものをまとめた在野の研究者に対し、税金で職務上のノウハウを得た専門の歴史学者たちは嘲笑する人たちだらけであることは覚悟すべきである。

歴史学の教科書にふさわしくない本

  • 2019.08.10 Saturday
  • 09:48
「歴史学ってなんだ?」(小田中直樹)を読もうとしたが、とても読むにふさわしいとは思えず、アマゾンの書評を眺めることにした。 https://www.amazon.co.jp/歴史学ってなんだ-PHP新書-小田中-直樹/product-reviews/4569632696/ref=cm_cr_dp_d_hist_1?ie=UTF8&filterByStar=one_star&reviewerType=all_reviews#reviews-filter-bar 「無意味な正論と、曲論にあふれた書」という評価は、私も同感。 著者は経済史専攻。フランスに興味があるようだ。 しかし、見出しを見る限り、自身の強みを中心に、専門の経済史と関連づけた記述が少ない。加えて言うなら、学問としての歴史学の領域、学問だとする体系的記述、定義がほとんどない。学問だとするなら、技法を伴うはずだが技法的な記述がほとんどない。著者は、あとがきにて「体系的に基本的な知識を整理し、歴史学の入門書として機能すること」としているが、そうは思えない。 入門書ならなおさら、見出しは全体を俯瞰できるものにすべきだった。 致命的な事であるが、政治外交問題となった従軍慰安婦問題を題材として取り上げ、吉見の主張を是としているが、吉見に対する反論意見は読んでいないようであり、載せていない。 入門書として機能するために、論争中の素材として従軍慰安婦問題を取り上げたのであれば、反論意見を示さない、入門書は、入門書としての資格は、もちろんない。それでいて、著者は「史料批判は必須」だと見出しに書いている。 要するに矛盾だらけの本なのである。

「いろは歌の謎」という本に関する阿刀田高の見解

  • 2019.06.21 Friday
  • 06:39

小説家阿刀田高は、「いろは歌の謎」という本について以下のような見解を述べている。

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ことば遊びの楽しみ

阿刀田高

「科なくて死す」

篠原央憲『いろは歌の謎』(カッパブックス)という興味深い一書がある。内容をかいつまんで紹介すれば、いろは歌は万葉の歌人、柿本人麻呂の作。無実の罪を着せられて幽閉生活を送った歌人が、長い日時をかけ、苦心のすえ自分の無罪を訴え、末長くそれが残ること(名作であれば、そうなる)を意図して創ったもの、としている。

途中省略

これは昔から指摘されていることだが『いろは歌の謎』はこれを端緒として柿本人麻呂の恨み多い最晩年を文献的にたどり、いろは歌が暗号文として創られたことを論証している。しかも、いろは歌はこの事情を反映して従来言われているような仏教的な解釈なんかとんでもない。この歌の解釈として『いろは歌の謎』の著者は言う。

「この世は無常である。あすの運命がわからないものだ。きょうの権力者であるお前のあすもどうなるかわからない。わたしもそうだが、お前も、誰もどうなるか、まったくわからないのだぞ。」 といっているのだ。これは、あきらかに、無実の罪に陥れられた作者が、自分を陥しこんだ者に対して怒りをこめて叫ぶことばである。つまり、権力側への告発のことばである。(中略)かつて、「色の匂う」世界で、花やかに活躍したことのある作者は、それに思いをはせ、現在の悲惨な囚人生活を思い、 「むかし、自分も花やかに暮らしたことがあったが、それは浅い夢であった。いま、この時に至って、もはや自分は、そんなことに酔うこともない。」 となるのである。それは、じつに暗い、絶望の叫びであり、まさに個人的な怨念のこもったことばである。

ただの思いつきではなく、この歌が創られたときの権力情況、さらに国語学的妥当性なども充分に言及されている。そして万葉がなで書かれた七文字くぎりの記述の下から三段目、本乎津能己女(ほをつのこめ)にも暗号が隠されていることをも論証の補足としている。 一流の歌人が蟄居生活の苦しみと恨みを胸にたたみながら執念を燃やし、熟慮に熟慮を重ねて創ったものであればこそ、これほど周到で、みごとな歌が完成したのだ、という主張も一応の筋が通っている。『いろは歌の謎』をどこまで信じるかはともかく、どういう立場を採るにせよ、この歌が簡単に創れるものではないことは明らかだろう。

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いろは歌の作者である柿本人麻呂に対する同情だけでなく、作品力の高さについて言及している。 作家の視点ならではの評論である。

阿刀田高の経歴は次のとおり。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E5%88%80%E7%94%B0%E9%AB%98

一族も好人物が多いようだ。

歴史小説の限界

  • 2017.06.12 Monday
  • 06:27

謎だらけの歴史的事象について調べていくと、得られる情報について、少なくとも三つに分類されることがわかる。

・確定した事実 ・概ね確からしいこと ・推定されること

中でも「二・二六事件」は、どうしてああいうことになったのか?

スポンサー、皇室関係者、誰が損をして誰が得をしたのか、隠蔽されている事実の有無など、不明な点が多い。 それゆえ、多くの研究者が挑戦する。 だが、どれも決定的な証拠、分析によって、多くの読者を納得させるに至っていない。

読まされる方は、大丈夫なのか、と思ってしまう。 私は、小説化されたノンフィクション本を読まされると、抵抗感を覚える。

(ノンフィクションあるいは歴史論文とすることで)身に危険が及ぶ場合を除いて、小説化しなくてはならない必然性はまったくない。 また、小説化した場合は、確定した事実、概ね確からしいこと、推定されることが、読者から見て、判別不能な形で配列されることを意味する。

「禁断 二・二六事件」(鬼頭春樹)は、実は、上記の要件に合致している。

紹介文はこうなっている。が、実態的に小説である。

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膨大な資料を嗅ぎ分け空白の時間を解明して浮び上がる宮城を舞台にした事件の新たな相貌。「プロジェクトX」等を産んだ元NHKプロデューサーが記す渾身の長編ノンフィクション。

昭和11年2月26日、雪の朝、宮城を舞台に何が企てられたのか。物語はふたりの人物に行き着く。当時34歳の大元帥陛下。そして28歳の近衛師団陸軍中尉。両者には雪の早暁に企てられた宮城作戦のトゲが突き刺さっている。このトゲを抜けば二・二六事件が内包する膨大な膿が流れ出て来るに違いない。語られることがない禁断の領域がそこに露呈するのだ。―松本清張『昭和史発掘』でスクープされてから40年、膨大な史料の森に分け入り、時刻を克明に辿り、隠蔽封印された宮城での作戦の全貌を抉り出す。

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歴史研究の視点からみて本に書かれているべきことは、確定した事実、概ね確からしいこと、推定されることを明確に整理したうえで、新しい発見があったのかなかったのか、推論によって新たな解釈が生まれたのか?ではないかと思う。

確かに、著者は名プロデューサーかもしれない。従って、すべてをシナリオ化することは得意だろう。 シナリオ化と歴史研究はまったく別物であることは言うまでもない。

そして、重大な歴史的事件であればあるほど、確定した事実、概ね確からしいこと、推定されることを区別し扱うことが求められる。

まして、ノンフィクションだとして紹介するなら、そうすべきだった。 要するに、謎だらけの事案について、新たな誤解を生む結果でしかない点において、ノンフィクションジャンルで小説化する必要はないのであり、小説なら小説でしたと紹介すればいい、と言いたいのである。

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